当園のこだわり
子供の手が止まらなくなる味を目指して
小さいお子さんが試食の葡萄を食べて「もう、そのくらいにしといたら」と言われてるのを見ると嬉しくなってしまいます。実は子供さんて味にとても敏感で、エグ味を感じたり、後味が悪かったりすると手を伸ばさなくなります。直感で正直に判断してるからだと思います。収穫時までに味がととのうように、日々観察して栽培しています。
■品種選び
自分ちの直売所で販売しているので、お客さんと会話ができます。
「とにかく立派な房がいい」「酸味の効いた葡萄がいい」「味が良ければ見た目はいいわ」など
お客さんの反応や意見を聞きながら品種を選んでます。
もちろん苗業者さんからの最新情報もチェックし流行の品種を取り入れたり
保命園にしかない品種(初恋、茜)も育てています。
■栽培方法
作物の一生は人間の一生と同じようなもの
作物も生長とともに必要とする栄養や量が変わってきます。
子供の頃は食べ易い形で、成長期になれば山盛りごはん、成熟期には油ものは控えめに・・・と成長に合わせて必要な栄養を必要なだけ。を心がけてます。
夏でも剪定
普通剪定は冬に行いますが、夏に葉が茂ってくると、畑が暗くなり日光が細部まで届きにくくなってしまいます。
そこで必要な葉を残して剪定します。そうする事で葡萄にも光が届き、美味しい葡萄に育ちます。
土づくり
保命園の畑はモグラの穴でボコボコです。これは畑の環境がいい事の証拠なんです。
葡萄の樹にとって居心地のいい環境にする為に堆肥などを入れて、微生物を増やし
根が健全に生活できる環境を整えてます。
目で確認するのは勿論、土壌診断を定期的に行って数字からも判断しています。
*農家の台所 WEB SHOP用で編集していただいた動画がYoutubeにアップされています。ぜひこちらもご覧ください!↓↓↓
年間スケジュール
春
●芽かき(写真)
山々が薄い緑に覆われる頃、葡萄の芽も一斉に芽吹きます。
栄養がバランスよく届くよう、早く出た芽を取って均一な長さになるように調整します
●誘引
伸びた枝は重なり合わないように、枝を動かして棚に縛ります。
※風にあおられて、枝が折れるをも防げます。
夏
●花切り(写真)
立派な見た目の房になるように葡萄の花を小さくします。
(余談ですが、葡萄には花びらがないんですよ。詳しくは下の豆知識をご覧ください)
●摘房
限られた養分で美味しい葡萄になるように、房の数を調整します。
●摘粒(写真)
葡萄の粒が悠々と生長できるように余分な粒を抜いていきます。
※粒の表面についた白い粉はブルームといい、葡萄自身が病気から体を守るために作り出しているもの。これを取ってしまわないように、木綿の手袋をして作業します。
●袋かけ(写真)
熟してきた葡萄を鳥や獣、病気から守る為に袋に入れます。
●カサかけ
日光に弱い品種は袋の上に日よけをかけてあげます。
●夏季剪定
必要以上に伸びた枝は必要な葉数を残してカットします。
●ビニールはがし
袋がかぶったハウスからビニールを剥がして、葡萄に直射日光があたるようにします。
秋
収穫も終わりひと段落。
38℃にもなる夏の暑さの中、100房以上を養ってきた樹は体力を消耗しています。
そこで、栄養をたっぷり吸って冬眠できるよう、土に堆肥をまきます(「お礼肥」と言います)。
しっかり発酵した堆肥は掘ると湯気が出るほど。微生物が活発に活動している証拠ですね。
冬
●剪定
一年の間に成長した枝を必要な枝だけ残して切ります。(写真上)
まず、畑の将来や樹の10年後を想像します。その後、樹一本一本が置かれている環境や今の状態を観察。
枝の太さや色ツヤは勿論、枝の生えてる向きや角度、芽の形や数をしっかり見極めながらハサミを入れます。
切り口は乾燥して腐りやすいので、薬を塗ってあげます。(写真下)
●ビニール張り(写真)
少しでも早く収穫したい葡萄や、雨に弱い品種の樹の上にビニールを張ります。
ぶどうの豆知識
葡萄には花びらがない
雄しべと雌しべが発達してくると、花冠(かかん)というキャップのようなものがはずれて、5本の雄しべと中央の雌しべだけになります。葡萄の花が咲いたといって見てみると、初めはがっかりするかもしれませんがとてもユニークな形をしています。
色がつくのは一粒ずつ
葡萄の色は房全体に付きはじめるのではなく、初めは一粒ずつ色が着き始めます。これを業界用語で「トビダマの時期がきた」と言ってワクワクします。
何で種無しになるの?
葡萄には本来種があります。
種無しにする為に、花が咲いた後、ジベレリンをいう植物ホルモンで処理することで種がなくなります。ジベレリンは稲の馬鹿苗病という菌から抽出したものです。ですので、種無しで有名なデラウエアもジベレリン処理をしないと種ありになります。
種無しは偶然できた!?
もともと種無しにする為にジベレリンを使っていたわけではなくデラウエアの粒を大きくする為に使われていました。研究の中で、ある時期にある濃度で処理をした房だけたまたま種がないデラウエアが出来あがったそうです。
葡萄についている白い粉って
葡萄の表面についているのはブルームと言って、葡萄自身が病気から体を守るために作り出しているものです。水をつけると水がはじくのがわかります。ブルームには、アンチエイジングや虫歯予防に効果のあるオレアノール酸が含まれているそうです。
葡萄を食べて疲労回復
葡萄には果糖、ブドウ糖が豊富に含まれていて、体内ですばやくエネルギー源になります。体力を消耗しやすい夏場などは特に葡萄をつまみながら仕事をしてます。
脳の疲労回復に黒色葡萄!
勉強や仕事で頭がボンヤリしたり、疲れて脳機能が低下した時は特に黒色の葡萄を。脳機能の低下を防ぐ働きのあるペンタペプチドという成分が含まれているそうです。